只今、恋の修羅場に巻き込まれそうです!
次のシーンに移るんだなぁ…
ぼんやりと舞台上を見ていると、しばらくしてスポットライトがまた中央を照らした。
そこに佇む直人に…息を呑んだ。
赤を基調としたタキシード。ズボンは上が映えるようにか白色になっている。
王子様の衣装が端整な顔立ちをより強調していて…
似合うなんてもんじゃない。
まるで本物だ…
目が釘付けになる。
離すことが、出来ない…
ふ、服装の影響ってスゴいな。
中身はただの直人だっていうのに…
最初の登場シーンなんて、ちょっとした紹介だから僅か数分。
なのにその数分で私の心臓はバクバクいっていた。
そのドキドキが、何を意味するのかも分からないまま…
しっかし、あんなに容姿完璧な三人組に…私とか入っちゃっていいんだろうか?
次の暗転が来れば私の出演カット。
その前にひとり、腕組みをして考えあぐねていた。
第一…私が姫の時点でコケるの前提、みたいな?
そんな気しかしないんですけど…