只今、恋の修羅場に巻き込まれそうです!
「私ね、花音が大事なんだ」
「そんなの知ってる」
「あはは、だろうね……でも、直人も大事な人だから」
どっちがなんて決められない。
この町で出会えた大切な人たち…
私の友達になってくれた人たち。
花音も、直人も、大和も。
「確かに協力はした。だけど、直人の邪魔をするつもりはないよ」
「邪魔?」
「今からどう動いたって止めたりしないってこと!」
花音への協力はここまで。
本当は徹底的に二人にしてあげたいんだけど…
相手は何せ直人だからね。
花音を好きな直人だから……
「これからの行動は直人自身で決めて下さい!……じゃぁ、後でね?」
私は少しだけ微笑むと、ぐるりと方向を変えて歩き出した。
きっと彼はすぐに走り出すだろう。
その姿を見る気には、私はどうしてもなれなかった……