只今、恋の修羅場に巻き込まれそうです!
「その手…離せよ……今すぐ離せっ!!」
声を荒げた直人。
こんな姿を見るのは初めてで…
二人を睨む目付きは…
睨まれてもいない私でさえも縮み上がる位。
本気で、怒ってるんだ。
「お、お望み通り…離してやるよ!!」
私の体を拘束していた片方が、私を前へと思いっきり突き飛ばした。
コンクリートの地面が、目前に迫る…
落ちるっっ!
……………?
想像していた衝撃はなく、代わりに与えられるのは心地のよい……
「…な、なお……」
目を開くとすぐ目の前には直人が…
それだけで、驚く位安心する。
バタバタバタバタッッーーー
慌てたような足音が次第に遠ざかっていく。
あの二人のものだろうけど…怖くて振り向くことさえ出来ない……