只今、恋の修羅場に巻き込まれそうです!
「待てっ!…っ……美桜?」
二人組を追おうとする直人。
その手を私は必死に掴んだ。
頭の整理なんてつかなくて、
平静になんてなれるはずもなく……
「行かないで……一人に、しないで」
『誰か』じゃない。
一緒に居てくれる相手が誰でも良かった訳じゃなくて。
この時の私は、どうしても直人に傍にいて欲しかった…
「お願い。直人…」
「…………バカ」
浴びせられた言葉とは裏腹に、感じたのは暖かい温もり…
「なお、と……?」
「ゴメン。俺が離れたせいで…」
苦しい位にぎゅっと抱き締められる。
ホッとする安心感…
それとは別に、自分でもびっくりする程の胸の高鳴りが……