只今、恋の修羅場に巻き込まれそうです!
一体、どれくらい直人の腕の中に居たのだろう…
変わらずに直人は私のことをしっかりと抱き締めてくれている。
トクントクンーーー
聴こえてくる直人の心臓の音……
伝わってくる鼓動の音が、少しだけ早い気がする。
何だかそれが、私にはちょっと嬉しかった…
「もう、大丈夫……」
「ホントか?」
「う、うん。ありがとう…」
体勢を変えて覗き込んでくる直人の顔が余りにも近くて、今度は別の意味で平静じゃいられなくなりそうに…
ち、近いからもうちょっと離れて~~!!
さっきまで行かないでとすがった手前、言葉に出すことも出来ず心の中で叫ぶ。
「あっ…そういえば……」
「え?」
直人はハッとした顔を浮かべると、近くのベンチへと駆けていきすぐ戻ってきた。
手に白い袋を持って……