只今、恋の修羅場に巻き込まれそうです!



落ち着け…


落ち着け、私っ!


後はキスシーンだけだから。
そしたら私は特にやる事ないし……



ハッ!



キス…という事はつまり、これよりももっと直人さんが近付いてこられるんじゃ…?



劇を観ている何人かの人はこれから何かが起きるのを察しているようで、悲鳴がちらほらと聞こえてくる。



うん、分かる。


君たちの気持ちはよーーく分かるよ?


自分の好きな人のラブシーンなんて見たくないよね?


私も見たことあるからその気持ちは分かる。
しかも演技とかじゃなく本気の奴だったし…


でも…でもね、こっちだって緊急事態なんだって!


どう説明したらいいのか分かんないけど…もうもう限界が近いんです!



そんな私の想いなんて知らない野郎はズカズカと接近してくる。



待って…


待って待って待って~~!!


< 426 / 896 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop