只今、恋の修羅場に巻き込まれそうです!
コツコツと靴音だけが道に響く。
気まずい…
そう思ってるのは私だけ、なのだろうか。
「何か、二人になるの久しぶりだよな」
「えっ……そ、そうかな?」
ちらりと見れば不服そうな直人。
うー、どうしよう…
私がここ最近避けてたのとかバレちゃってるかも。
言い訳を考えあぐねていると、突然腕を引っ張られた。
気付くと後ろには壁、目の前には直人と前にもあったような光景。
「美桜」
頭に響く声に、心が震える…
発せられた言葉に甘さを感じるのは…私の気のせい?
「俺…何か美桜にした?」
「し、してない!」
ブンブンと思いっきり首を振る。
スッゴく切なそうな顔。
こんな顔にしちゃってるのは私なんだ…