只今、恋の修羅場に巻き込まれそうです!



そう考え込んでいると、ふと前から気配が…


その正体を探るべく目を向ける。



すると、結構な近さで松田くんが立っていて…



ち、近い…!



「久しぶりだね?美桜ちゃん」


「あ、うん…久しぶり……」



女子を悩殺せんばかりの笑顔。


そして、その女子たちからは殺気に似た視線を感じる!



「んー?」


「眞中ちゃーん、説明プリーズ」


「瞬くんと知り合いなの~?」


「いや、知り合いというか…ちょっとした顔見知りで…」



問いつめてくる彼女らの口許は、辛うじて弧を描いている。
が、引き吊っていて全く意味を成していない。


それに目が笑ってないんだもん!
怖いよ!



「ひどいな、美桜ちゃん。
俺はあの日のこと、忘れた事ないのに…」


「ま、松田くん!?」



何、その意味ありげな言い方!


何、その憂いを帯びた顔は!?


そんな風に言っちゃったら誤解され……


< 434 / 896 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop