只今、恋の修羅場に巻き込まれそうです!
廊下側の窓から溢れんばかりの女子を見て私はそう思った。
ついでに彼女たちから殺意に似た視線を感じる。
うん。そうだね。
きっと私のこと呼び捨てで呼んでるのを聞いたんだよね?
松田くんに他意はないと思うけど、こっちは目で殺されそうです。
「昨日の撮影さ。美桜と会った日と同じ雑誌のところだったんだよね」
「へぇ…」
正直こっちは話どころじゃない!
たくさんの嫉妬の炎で燃やし尽くされそうで…
「その時の総括の人が美桜を覚えててさ。モデルの素質があると思うって言ってくれてるんだよね」
「へ……ん、モデル?」
「そう。モデル」
「誰が?」
「美桜が」
開いた口が塞がらないとはこの事か。
驚きすぎて瞬きが止まらない。
そんな私に構わず、松田くんは話を進めていく…
「まずは読者モデルからどうかって事なんだけど。
承けてくれるよね?」