只今、恋の修羅場に巻き込まれそうです!



それはそれは絶妙なタイミングの割り込み…


もちろん最悪な意味で。


声から察しは付いていたが、廊下には坂口(先生)が立っていた。



「居残り勉強か?…ってお前らの成績でそれはないか!」



ハハハと豪快に笑う坂口(先生)。


しんみりムードの俺らとはテンションの差が余りにも激しい…



というか空気を察してくれ。


あーぁ。こっちは邪魔が入って泣きそうな気分だよ、ちくしょう。




美桜限っては俺の後ろに隠れて出てこようともしないし。



こんな美桜、初めて見る…



「すみません。すぐに帰りますから」


「おぉ。じゃあまた明日なぁ~」



廊下に響き渡らん勢いでそう告げると、坂口は去っていった。



嵐みたいな人だな…




「もう行ったぞ?」


「ん…ごめん……誰にも泣いてるとこ、見られたくなくて…」


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