只今、恋の修羅場に巻き込まれそうです!
軽い足取りで隣へ来る会長。
私はキョロキョロと辺りを見回した。
この渡り廊下は職員室に用がある生徒ぐらいしか使わない。
案の定、今も人気はなく…
「羽山先輩」
「なんだい?」
「ここには人も居ないのでその営業スマイル、止めていいですよ?」
「…全く、手厳しいね…」
会長は苦笑いを浮かべると、花が咲きそうな程の笑顔を解いた。
会長が無理して笑ってることに気付いたのは文化祭のすぐ後…
直人と会うのが気まずくて生徒会のお手伝いをしていた時だった。
初めはニコニコしてるのが地なのかと思ってたんだけど…
接する機会が増えて細かい仕草とかを見てるとあぁ、違うんだ…と分かった。
「そうだ、羽山先輩」
「帝って呼んで?」
「あー…生徒会でまた手伝える雑務とかあったら言って下さいね?」
「呼んでくれない、か……。ま、雑務は有り余ってるからまた生徒会においで」