只今、恋の修羅場に巻き込まれそうです!
「こないだ行ったケーキ屋さぁ~」
「あー!あそこの苺タルトすんごい美味しかったよね!」
しばらくして女の子たちの楽しそうな声が聞こえてきた。
窓から覗けば、ちらほらと帰っていく生徒が見える。
話してた子たちはどうも一年生みたい。
…私も帰るかな。
結局、ただ一人でぼんやりしてただけだったなぁ…
人気のない廊下を歩く。
響くのは私の足音だけ…
昼間の賑やかさが嘘みたいだ。
何となく自分のクラスの前を通った。
ここにも人の気配はなくがらんとしている。
放課後の学校は嫌いじゃない。
部活もしてないし、残る機会が少ないからそう思うのかな?
教室を見回してある一点に目がついた。
まだ掛けられてある鞄…
そこは直人の席だった。