只今、恋の修羅場に巻き込まれそうです!
遠ざかっていく足跡にホッとする。
我ながら前まで好きだった人への態度じゃないとは思う。
思うけど…
今の私には他の人を思いやる余裕なんて微塵もなかった。
ホント、自己中心的過ぎて嫌になる。
同じマンションだから帰り道も同じ。
さっきから会話という会話もなく、聞こえてくるのはアスファルトに響く靴音のみ。
少し一緒に帰らなかっただけなのになぁ…
スゴく懐かしいって感じる。
そして無言という息苦しさも感じる…
「あのさ…」
先に口を開いたのは直人。
「ん?」
私はおどおどしてるのを悟られないように至って平然を装った。
「今からもう避けんのはなしな?」
「うっ……わ、分かった…」