只今、恋の修羅場に巻き込まれそうです!



遠ざかっていく足跡にホッとする。


我ながら前まで好きだった人への態度じゃないとは思う。


思うけど…


今の私には他の人を思いやる余裕なんて微塵もなかった。


ホント、自己中心的過ぎて嫌になる。





同じマンションだから帰り道も同じ。


さっきから会話という会話もなく、聞こえてくるのはアスファルトに響く靴音のみ。



少し一緒に帰らなかっただけなのになぁ…


スゴく懐かしいって感じる。


そして無言という息苦しさも感じる…



「あのさ…」



先に口を開いたのは直人。



「ん?」



私はおどおどしてるのを悟られないように至って平然を装った。



「今からもう避けんのはなしな?」


「うっ……わ、分かった…」


< 509 / 896 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop