只今、恋の修羅場に巻き込まれそうです!
「おはよう。美桜、花音ちゃん」
松田くんは私たちの方へ近付いてくると、いつものように挨拶をしてくれた。
ご丁寧に両サイドに女子を引き連れながら…
律儀…というべきか…
来る日は欠かさず話しかけてくれるんだよね。
「なに今の、呼び捨て?」
「他は誰もされてないのにねぇ?」
「瞬の何な訳?」
おいおい、聞こえちゃってるから。
そこのレディたち!?
ヒソヒソ話なら聞こえない場所でヒソヒソしてくれー!
全く…
朝から胃がキリキリするよ。
「おはよう。松田くん」
「おはよー」
鋭い視線に億劫になりながら…
でも挨拶はきちんと返した。
礼儀には礼儀を、である。