只今、恋の修羅場に巻き込まれそうです!
やれやれ…
肩を落としつつ花音を横目で見ると、何やら虚ろな目をして立っている。
視点が何処にも合ってないというか。
光りすら宿っていないような…
「花音?」
「え……何?」
「や…、なにって…」
こっちを向いた花音はいつもと変わらない感じで…
ただの勘違い?
いや、絶対にそうじゃない…
どうしてか、そんな確信を持てた。
「片方は楽勝なんだけどな」
ぽつりとそんな事を呟いた松田くん。
誰かに言ったんじゃない、多分それは独り言で…
でも…
頭がぐらぐらと揺れる感覚、
速くなる鼓動に嫌な予感を感じれずにはいられなかった。