只今、恋の修羅場に巻き込まれそうです!
「そんな…」
「おーい、花音!」
『そんな事ない!』
そう言おうとした。
けれど、急に声を掛けられてそれ以上先が言えなくなってしまって…
「上からここに居るのが見えてよ。もう当番も終わっただろ?」
何も知らずに(当然だけど)駆け寄ってくる大和。
悪気もないし、話を遮るつもりもないって分かってる。
分かってるけど…
タイミングが悪ーーい!!
「取りあえず下駄箱んとこ行こっか。直人待ってるかもしれないし!」
さっきとは打って変わってけろっとした顔をしている花音。
まるで…何もなかったみたいに…
まぁ話せる機会はいつだってあるか。
そう、いつだって話せる。
その発想が安易なのだと、この時の私は気付けなかった…