只今、恋の修羅場に巻き込まれそうです!



「そんな…」


「おーい、花音!」




『そんな事ない!』



そう言おうとした。


けれど、急に声を掛けられてそれ以上先が言えなくなってしまって…



「上からここに居るのが見えてよ。もう当番も終わっただろ?」



何も知らずに(当然だけど)駆け寄ってくる大和。


悪気もないし、話を遮るつもりもないって分かってる。


分かってるけど…


タイミングが悪ーーい!!



「取りあえず下駄箱んとこ行こっか。直人待ってるかもしれないし!」



さっきとは打って変わってけろっとした顔をしている花音。


まるで…何もなかったみたいに…



まぁ話せる機会はいつだってあるか。



そう、いつだって話せる。
その発想が安易なのだと、この時の私は気付けなかった…


< 533 / 896 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop