只今、恋の修羅場に巻き込まれそうです!



目を合わせるのが気まずくて、足先の方を見る。


私の真ん前は行き止まりだから必然的に松田くんはこっちに歩いてきて…


ジャリジャリと地を歩く音が嫌に響く。


そして、


すれ違う瞬間…



「俺に縋りたくなる時がくるよ。絶対にね」



放たれた言葉にぞわりと身体が反応した。


どういう意味でそんなことを言ったのか…


さっぱり、理解出来なかったのに。





私が振り向いた時には松田くんの姿はなく…


しばらくして自分の全身をチェックしてみると、腕や足にはっきりとした鳥肌が立っていた。





顔は見えなかった。


それなのに…


松田くんは笑ってたんじゃないか。




そんなイメージが浮かんできた。


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