只今、恋の修羅場に巻き込まれそうです!
何の用もないのにこんな朝から保健室に来るなんて変だし…
言葉が浮かばなくて反射的に手首を押さえる。
「軽い怪我なら俺がやろっか?ちょい見せてみ」
「や、あの。いいです…」
「まぁまぁ、遠慮せずに」
「え、遠慮とかじゃなくて…!」
ささやかな抵抗も虚しく、隠していた部分がさらけ出されてしまった。
変な風に思われたらどうしよう!
不安で不安でしょうがなくって、涙が出そうになった。
最近自分が泣き虫すぎて嫌になる…
「大丈夫」
不意に聞こえた柔らかい声。
私の好きないつものトーンよりも心地よさを感じる、そんな声。
おずおずと見上げると、とっても優しい目を向けてくれていて…
沈んでいた気持ちがぐっと上昇する。
少しだけ、その笑顔をみて気持ちが楽になった。