只今、恋の修羅場に巻き込まれそうです!
先輩の仰天発言に驚いて、椅子から思わず立ち上がった。
し、しし、下の名前!?
三木先輩の?
「ほら、呼んでみて?」
あんぐりする私に追い討ちをかけるように、有無を言わせない笑顔の先輩。
「あの………、その…」
「あ……そうだよね。
俺の下の名前なんか知らない、か…」
言い淀んでいると明らかに悲しげな先輩の顔が。
かなり私の良心にチクチクと刺さってくる。
あーもう、分かりましたよ!
言えばいいんでしょ、言えば!
「た、拓真先輩!」
さっきまでよりも顔が赤くなってるのが鏡とか見なくても分かる。
名前を呼ぶのってこんなにもドキドキするものなの?