只今、恋の修羅場に巻き込まれそうです!



自分に今起こっている事態が受け入れられない。


必死に身体を動かそうとしても、まるで効果がない。



「やっと効いた?」



嬉しそうな松田くんの声が頭上でする。


顔を上げることも敵わないから、どんな表情かまでは分かんないけど…



「いや~、中々手強かったよ。
俺がこんなに力込めてるのに、全然反応しないんだもん」


「これ………な、に……」


「…まだ話出来るんだ?
ヤバッ、面白すぎる」



子供が新しいおもちゃを見つけた時みたいな爛々とした声色。


それを聞いた途端、私は寒気が止まらなくなった。



前から感じてた変な気分は間違いじゃなかったんだ…


よくよく考えてみたら、自分でも気付かない内に…松田くんを拒絶してたのかもしれない。


無意識に後ずさりをした事もあったし…


あれは…私自身からの警告だったんだ!


< 607 / 896 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop