只今、恋の修羅場に巻き込まれそうです!
でも、今さらかもね…
気付くのが遅すぎたかもしれない。
何とかこの状況を逃れようと、足や指先に力を入れてみようとするも…
やっぱりダメだ。感覚すらない…
あ、そうだ。
声ならギリギリ出せるし、誰かに動けないのを気付いてもらえば…!
そう思って声を絞り出そうとした時…
「でも藤堂くんってさ…花音ちゃんに片想いしてるよね?」
松田くんの言葉に息が詰まってしまった。
どうして…知ってるの?
動けないパニックと矢継ぎ早に出てくる話に頭がぐらぐらする。
元々体力もないから立ってる状態を保つのも限界がきてるのに…
「美桜は…
いつも誰かの一番にはなれないんだね?
今も、昔も……」
その一言に、私は突き落とされたような感覚がした。