只今、恋の修羅場に巻き込まれそうです!



彼は一体私の何を知っているのだろう。


少しを知って、全部を分かった気になんてならないで欲しかった。



だけど多分…今のが一番言われたくなかったこと…


私にとって、触れられたくなかったことなんだ。



「………や、……めて………っ」



渾身の力を込めて、私は松田くんを睨み付けた。


でも…



「もぅ….…最高だなぁ、君は…」



その行動が嬉しかったのか、松田くんの顔に笑顔が広がっていく。


その笑顔に普段の爽やかさなんて感じられず、それよりも…


狂気染みた雰囲気が影を忍ばせる。



怖い……


目の前の彼が…怖くて堪らない……



頭の中が恐怖でいっぱいになった瞬間、私の意識は事切れた。



最後に見たのは私の幻想だったのかな?


やけに切羽詰まった直人の姿だった。



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