只今、恋の修羅場に巻き込まれそうです!
誰も何も言う事なく、ただ目的の場所に向かって走っていく。
人のほぼ居なくなった廊下からは足音しか聞こえてこない。
教室から特別棟までは中々の距離がある。
しかも今日は終業式で運動部以外の部活は休みだ。
松田はそれも計算して呼び出したんだろう。
苦虫を噛み締めながら、俺等は音楽準備室の前まで来た。
もうメールが届いてから5分は経っている。
ガタタタタッッ!!!
躊躇なく、
それこそ扉を壊す勢いで開けようとした。
が…
「やっぱ鍵かかってるわーーっ!!!」
大和が花音へ大声で叫ぶ。
想像通りといった所か。
ここまで綿密にやって退ける野郎だ。
鍵を掛け忘れるなんてヘマはしねぇだろう…