只今、恋の修羅場に巻き込まれそうです!
静まり返る部屋の中。
いざ話そうとすると、緊張する。自分のことじゃないのに!
「んっと、あの…花音と話した内容なんだけど…」
話す間際になって私の中に浮かんだのはなるちゃんと隆兄とのキスシーン…
もし私が話したら…あの時と同じ切ない気持ちを、直人にさせちゃうのかな…
どうして人を好きになると苦しくて辛い思いをするんだろう。
俯いていた顔を上げると、直人と視線がぶつかった。
その表情は、いつものだるそうなものとは違った真剣で…
目の前にいる私を見ているはずなのに、花音のことしか頭にないんだとすぐに分かる。
聞くと決めたのは直人自身なんだ。私が口出しすることじゃない…よね。
「直人が言ってた通り。花音は、大和に想いを伝えたって…それで、その…返事が…」
「断られた?」
「うん…」