只今、恋の修羅場に巻き込まれそうです!
「ぐ、偶然…
そっか。偶然か…」
偶然聞いちゃうとか…!
もうそれは漫画や小説の中のお話しでしょう?
しかも、一番聞かれたくなかった人に聞かれるとか…
どこまで運がないんだろう、私。
「…で、行くのか?」
「それは……!」
おずおずと顔を上げると、真剣な表情の直人がいて…
私を見つめる漆黒の瞳。
吸い込まれてしまいそうな…そんな目で。
「分から、ない…」
このまま見つめ合っていると、自分の気持ちが気付かれてしまいそうで…
それが怖くて視線を下に向けた。
死ぬかもしれないと思った時は、
あんなにも告白しなかったのを後悔したっていうのに…
現実は臆病で何も出来やしない。
現金な奴だな、ホント…