只今、恋の修羅場に巻き込まれそうです!
「俺さ、小学校の三年ぐらいに花音を好きになったって…昔に美桜に言ったよな?」
「そうだったね…」
抱きしめた状態のまま、私は直人の話に耳を傾ける。
私がこの町に転校してきたばかりの頃。
話し掛けてくれた花音と仲良くなって、その友達の直人と大和とも一緒に行動するようになった。
小さい頃から洞察力に長けていた私は、直人が大和を妬んでいることに瞬時に気が付いた。
それで何回か舌打ちをする場面を見た時に、つい小声で…
『花音ちゃんが好きなのは分かるけど、大和くんを睨まなくても…』
と言ってしまったんだ。
そして、口止めされた時に教えられたのが今の話。
懐かしいな…
あん時の直人の眼力が恐ろしかった思い出の方が強いけども…
「結構長い片想いだけど…向こうは、花音は幼稚園の時から好きなんだよな…大和を」