只今、恋の修羅場に巻き込まれそうです!
珍しく弱気な直人の発言。
ずっと花音を見てきたのに…いや、見てきたからこそ、か。
「ただ好きなだけで何にも動けてないし。本当に…このまま想ってていいのかって、悩む」
…ホント、前の私とまんま一緒だ。
見ているだけで、告白するのでもない自分。
挙げ句の果てに知らないうちに恋人まで出来ちゃってるし!
遅いながらに告白して、いっぱい後悔した。
結果が同じでも、もっと早くに行動してたらって…
でも…直人は状況が違うでしょ?
「諦めんな、藤堂直人!」
パチン、と直人の頬を両手で軽く叩いた。
そこにはビックリした直人の顔。
「美桜…」
「告白したから何だって言うの?はっきり言ってなんだけど、上手くいかなかったんだよ!?まだ…チャンスがあるってこと!」
放った強い口調にさらに驚いたのか、もう口が薄く開いている状態。
見事に整った顔立ちが台無しだ。