只今、恋の修羅場に巻き込まれそうです!
子供みたいにわんわんと泣いた。
静かに涙を流すことはあっても、こんなに声を上げたのはいつぶりだっけ…
直人はそんな私を黙って抱き締めてくれて。
「人と接するのが怖いの…
松田くんとの、あのことからずっと」
一頻り泣いた後、
直人へ今の気持ちを打ち明けた。
髪を切られたこと、
刃先を向けられたこと、
それは思っていた以上に、私の中に受けたダメージが大きくて…
「周りの視線とか、反応とか…前は気にもならなかったのに…
怖くて怖くて堪らなくて!
でも、そんな自分がどうしようもなく嫌で…」
周りの仕草や行動に過剰に反応する自分がキライ。
ビクビクしてるのなんて情けないって思うのに…!
「怖くなるのなんて当然だろ」
「なお…」
包み込むように優しく抱き締めてくれていた腕、
それがギュッと強まって、もう距離なんてものはなくなった。