只今、恋の修羅場に巻き込まれそうです!



私としてはそっちの方が大事だしっ。


まぁまぁ、今の緋色には横暴さは感じないけどね?



「ごめん。昔の事…」


「いや、そんなに真剣に謝らなくても…」


「あん時俺、何も分かってないガキでさ。
子供の頃から美桜に
『いい子ぶりやがって』
って思ってたんだよ」



突然のカミングアウト!



わおう、そんな風に思われてたのか!


確かに良くは思われてないんだろうなぁとは思ってたけどさ。


実際正面から言われると凹むわぁ…



「今こうやって親が大変にしてると、美桜の気持ちが理解できるよ…
しっかりしないとって思うよな?
何だって自分でやらなきゃいけねぇし。
ったく、こんな歳になるまで気が付かねぇとか…」



緋色は険しい顔でため息をついた。


“情けない”とか“最低”とかブツブツ呟いているけれど、


私としてはこっちの気持ちを少しでも汲み取ってくれて嬉しい。



気付けないのは仕方のないことだと思う。


境遇も環境も違えば、考え方だってそりゃ変わる。


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