只今、恋の修羅場に巻き込まれそうです!
「こんの…」
「美桜?」
「大バカ野郎ーっっ!!」
気付いたら廊下に響く位叫んでいた。
ここまで叫ぶことも滅多にないが、
目の前には、さらに滅多に見れない直人の驚いた顔が…
人のこと、よくバカバカ言うけどさ。
直人だって鈍感のバカじゃんか!
「人の恋を自分のものさしで勝手に計るな!
こっちは文化祭の時から直人のことが好きなんだから!」
「…マジ?」
「こんなの嘘で言う訳ないでしょ!?」
それなのに、私の気持ち全否定とか…
あっ、ヤバい。涙出そう…
「ちゃんと…考えて、るし…」
絞り出した声が震える。
これは怒りからか、悲しみからか…
「…信じてくれないならもう良いよ」
何かどうでも良くなって、私は自分の部屋のドアノブに手を掛けた。