只今、恋の修羅場に巻き込まれそうです!
「悩むよね…お互い」
「うん。ホントにねー?」
同時にため息が溢れた。
高校生の女子ふたりがこんな真っ昼間から辛気臭すぎる。
「そうそう。日曜日は10時に私の家でいいかな?」
「日曜?何かあったっけ?」
花音の言葉にピンとこなくて、頭にハテナが浮かぶ。
遊ぶ約束してたっけな?
「付き合いたての乙女が忘れてんじゃないよ!
月曜はバレンタインでしょーが!」
「はっ!!」
す、すっかり忘れてたーっっ!!
そんな最重要イベントを頭の片隅にも置いてなかったとか…
女子力ゼロか、自分。
「とにかく!もう虜になっちゃう位のチョコを作ってハートを鷲掴みにしてしまおう!」
「と、虜になるチョコ…?」
拳を振り上げて仁王立ちする花音。
かなりの気合いが入っているみたい…