只今、恋の修羅場に巻き込まれそうです!
「直人には似合わないから止めとけと言われてきたけどね?」
自分の言葉に棘がある気がして、少しびっくりした。
やっぱり、ショック…だったのかも……
「そ、それじゃあぱっぱっと初めていこうよ!
美桜は何作るの?」
落ち込む私の様子を察してか、花音はぐいぐいとキッチンの方へ押していった。
エプロンを着て、髪をまとめたり…
用意をしていたらその頃にはちょっと落ち着いてきた。
「花音は何にするんだっけ?」
「私は甘めのトリュフにしようと思って!
大和はお菓子大好きだからね!
それに、トリュフなら焼き菓子と違って失敗しないだろうし…
美桜はガトー…なんだっけ?」
「ガトーショコラ。
直人って甘いの苦手だから、ほろ苦いのにしようかなって」
「それってケーキだよね?
私には手に負えそうにない相手だよ…」
遠い目をして上を見上げる花音。
前に失敗でもしたのだろうか?
各々作業に取り掛かる。
といっても作るヤツが違うから、工程も違うんだけど…