蒼の歩み
――蒼君との約束事があると、憂鬱な仕事も捗り、頑張れた。職場では笑顔が足りない、等と注意をされたりもしたが。



木曜日が、待ち遠しくて楽しみで。蒼君の事を考えながら日々を過ごしていると、あっという間に木曜日を迎えた。



「お待たせ!」



蒼君は、車で下宿の前に迎えに来てくれた。時刻は午後1時半。蒼君は12時前後に起床するらしいが、私は休みの日でも8時には起きる。時間に余裕があったので、普段しない化粧も少しだけした。



「おはよう、真歩」



今は、蒼君にとってのおはようの時間。なので、彼は私にこう挨拶をしてくれた。



私もおはようと返し、助手席に乗り込む。……初めて彼の車に乗ったときは緊張したものだが、今ではすっかり慣れたものだ。まだ緊張がすっかり無くなったわけではないけれど。



何処に行くの、と訪ねてみれば。着いてからのお楽しみとのこと。片道2時間半ほどかかるらしい。



寝ててもいいよ、と言われたが。流石にそれは失礼だろうし、蒼君との道中の会話も楽しみたい。



蒼君と話したい、と返したら。俺も、と返ってきたので自然と笑みが零れてきた。

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