蒼の歩み
――帰りの車の中では、こんな会話を繰り広げ。
「今更だけど、真歩明日仕事あるよな。あんまり遅くなったらまずいか」
「ん、明日は午後からだから大丈夫。蒼君は?」
「俺、実は明日も休み」
「えー!ずるい」
「真歩も休みだったなら、このままもう少し2人で何処か行きたかったな。逃避行、とうひこー」
「え、なにそれ。それなら明日休み取ったのに!」
「嘘」
「えぇえぇぇぇ……。なんか、からかわれたんですけど」
「面白ェ奴」
そう言って笑う彼の横顔を見て、思う。あ、デジャヴだ。似たような会話以前にもあった。
「うー……。私、学習能力が足りないのだろうか。成長したいよ」
「成長したいってのは、胸か」
へ?
「いや、まあ、そこもだけど……」
って、何言わすんだよ。我ながら悲しくなってきたぞ。というか、胸って。これセクハラじゃありません?
「だろ?腕立て伏せして胸筋鍛えればデカクなるんじゃねーの。力入れる度にぶるんぶるんしそうだが。……うわー、引くわー」
「……あのさぁ、勝手に想像して勝手に引くのやめてくんない」
……この人は時々、良い感じに腹立つ時がある。
「なんで成長してないこと知ってるんだよぅ……」
むー、と自分の胸に両手を当ててみる。
「想像させたのおめーだろ、本当に成長してなかったのか。ま、大きさじゃねえ、形だ形」
「えっ……」
蒼君の好みの胸の話かと思ったのも束の間で。
「あんまり凸凹してたらまともに料理できねーだろ。まな板的な」
な、なんだそりゃ!
何だか胸の話は恥ずかしくなってきたので、話題を変えよう。
「ねぇねぇ。突然な質問だけど、蒼君は高校卒業してから進学したの?大学とか行ってた?」
我ながら本当に突然だ。
「今更だけど、真歩明日仕事あるよな。あんまり遅くなったらまずいか」
「ん、明日は午後からだから大丈夫。蒼君は?」
「俺、実は明日も休み」
「えー!ずるい」
「真歩も休みだったなら、このままもう少し2人で何処か行きたかったな。逃避行、とうひこー」
「え、なにそれ。それなら明日休み取ったのに!」
「嘘」
「えぇえぇぇぇ……。なんか、からかわれたんですけど」
「面白ェ奴」
そう言って笑う彼の横顔を見て、思う。あ、デジャヴだ。似たような会話以前にもあった。
「うー……。私、学習能力が足りないのだろうか。成長したいよ」
「成長したいってのは、胸か」
へ?
「いや、まあ、そこもだけど……」
って、何言わすんだよ。我ながら悲しくなってきたぞ。というか、胸って。これセクハラじゃありません?
「だろ?腕立て伏せして胸筋鍛えればデカクなるんじゃねーの。力入れる度にぶるんぶるんしそうだが。……うわー、引くわー」
「……あのさぁ、勝手に想像して勝手に引くのやめてくんない」
……この人は時々、良い感じに腹立つ時がある。
「なんで成長してないこと知ってるんだよぅ……」
むー、と自分の胸に両手を当ててみる。
「想像させたのおめーだろ、本当に成長してなかったのか。ま、大きさじゃねえ、形だ形」
「えっ……」
蒼君の好みの胸の話かと思ったのも束の間で。
「あんまり凸凹してたらまともに料理できねーだろ。まな板的な」
な、なんだそりゃ!
何だか胸の話は恥ずかしくなってきたので、話題を変えよう。
「ねぇねぇ。突然な質問だけど、蒼君は高校卒業してから進学したの?大学とか行ってた?」
我ながら本当に突然だ。