蒼の歩み
「ネットだとな、短い返事でも繋がってると思える奴も居れば、どんだけ長ェ文章でも遠く感じる奴も居る。たくさん話しても通りすがりにしか感じねェ奴も居る」



だから面白い部分もあるんだけどな、と彼は言う。リアルだろうとネットだろうと、彼は誰に対しても一生懸命向かい合うんだ。優しすぎるとよく言われると言っていたが、こういう部分も含めてなのかなと私は思った。



「そっか、色々あるんだね。ネットで、他に何か遊んだりしてることある?」



「他か?あー……、趣味で前に小説書いてた」



「えっ!?」



意外な返答に、びっくり。



「文章力、ねーけどな。本読んで表現やら語彙力、想像力を高めてェなってのは思うから、読んでみようかと考え中」



読みきる自身はさらさらねえが、と彼はぽつり。



「小説、かぁ。蒼君の書く小説……。私、読みたい」



ダメかな、と問うと。少し渋っていたが、了承しページを少しみせてくれた。こっちに来な、と手招きされたので画面を覗き込む。
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