蒼の歩み
14
最近、蒼君と逢っていない。それどころか、連絡もまともに取っていない。



逢わずに2週間ほど感覚が空く事はざらにあったが、それ以上期間が長くなると、心に少し不安を覚える。メールを送っても、忙しいのかはたまた疲れているのか。彼にしては珍しく短文で。また、休みたいというやつだろうか。



私はソレを察して、連絡を日に日に控えていって。それでもやっぱり退屈で、正直寂しくて。



仕方が無いから、すっかり過疎化した己のブログに『暇だ』やら『欝だ』等の短い言葉を書き込んで気を紛らわしてみる。……誰の反応も、無い。もちろん彼の反応も。



もう本当に誰も見ていないのだな、と改めて実感することが出来た……。





この前のあやかさんの時のように、誰かと一緒に居ても構わないから、偶然蒼君のことを見かけることはないかな、と。



仕事帰りは、わざと街中を選んで帰宅してみるも。そんな偶然は起こらずに。彼と会わないだけで毎日が退屈で平凡で。……なんだか、蒼君と出会う前の私に戻っちゃったなぁ。私はどんだけ蒼君依存症だったのだ。これは、彼から離れるいい機会なのかな……。



下宿に着いて携帯を開くと、久々の彼からの連絡。メールが届いていた。



何だろう、と。仕事が落ち着いたとかの報告だったら嬉しいな。そんな気持ちでメールを開いてみたら。



『真歩、悪ぃ。しばらくテンションが戻らないから、ちと休む』



そこに記されていたメッセージを読んで、彼に対する疑問と心配の気持ちを抱く。蒼君……?何かあったのかな。どうしたの、と送ったら。



『今は毒しか出てこねーから、そのうち話すよ』




とのこと。



そっか、わかった。わかったよ……。
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