蒼の歩み
やっぱり、メールではなく下宿についてから電話を入れようと、カバンから出した携帯を数秒見つめた後、もう一度入れなおした。
――それから家に着き買ってきた物を片付けて、時計を確認すると彼の仕事が終わった時間。私は、蒼君に電話をかけた。……電話だなんて、以前もしたことがあるのに、何故だか手が震えていて。緊張?ドキドキ?自分でもよくわからなかった。
「もしもし」
だけど、そんな妙な心のざわざわを吹き飛ばすかのような、私の安心する大好きな低音ボイスが耳へと届き。
「蒼君、こんばんはー!お仕事お疲れ様!」
いつもの調子で会話をすることができた。先ほどは買い物中だった為すぐに返信できなかったという事を伝え、電話しても大丈夫だったかということを確認して。
……そしたら、私からの電話が嬉しかっただなんて言ってきたけれど。きっといつもの冗談。私をからかおうとしても、そうはいきませんよ。
「で、真歩。最近何してるんだ?」
「布団の上でゴロンって。ぼうっとしてる」
暇人だと、思われるかな。実際、暇なのだけれど……。
「考え事か?」
うん。
「そんな感じかな」
「真歩、そのまま寝ちゃいそうだけどな」
「寝れないよ、だって」
「ん?」
「もう、鈍感」
――それから家に着き買ってきた物を片付けて、時計を確認すると彼の仕事が終わった時間。私は、蒼君に電話をかけた。……電話だなんて、以前もしたことがあるのに、何故だか手が震えていて。緊張?ドキドキ?自分でもよくわからなかった。
「もしもし」
だけど、そんな妙な心のざわざわを吹き飛ばすかのような、私の安心する大好きな低音ボイスが耳へと届き。
「蒼君、こんばんはー!お仕事お疲れ様!」
いつもの調子で会話をすることができた。先ほどは買い物中だった為すぐに返信できなかったという事を伝え、電話しても大丈夫だったかということを確認して。
……そしたら、私からの電話が嬉しかっただなんて言ってきたけれど。きっといつもの冗談。私をからかおうとしても、そうはいきませんよ。
「で、真歩。最近何してるんだ?」
「布団の上でゴロンって。ぼうっとしてる」
暇人だと、思われるかな。実際、暇なのだけれど……。
「考え事か?」
うん。
「そんな感じかな」
「真歩、そのまま寝ちゃいそうだけどな」
「寝れないよ、だって」
「ん?」
「もう、鈍感」