蒼の歩み
「私は、その人のこと何でも知りたいから聞いたけど。興味本位で聞くものではないし、上手く返せないのなら聞かなきゃよかったのかな、て。数時間後気づいたら。私との会話のやり取りを全部消してしまって」




「そうか……」



「バグかな、とも思ったのですが、多分相手が消したんですよね。……どうしてなんでしょう。私に話さなきゃよかったとか、思ったんですかね。会話を全部消されてしまったら、まるで話してくれたこともなかったことにされたような気持ちになって」




……秋塚さんは。真剣な表情で聞いてくれている。




「私が気にしすぎなんでしょうか、ね。嫌われちゃったかな。……という話しです。長々とすいません」





――ちなみにその友人とは、普通のメールではなく。お互いの会話が一覧となって双方に見れるサイトのような場所で、話をしたのだ。チャットのほうが、やり取りが早いから、と。でも、その私達の会話が消えた……、消されてしまったのが。私は変に気になってしまった。




本当なら今の私と秋塚さんのように直接会って話をしたかったのだが、何分住んでいる場所が違うのだ。










……私の話を聞いた秋塚さんの返事は、こうだった。

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