蒼の歩み
秋塚さんの言葉を、何度も心の中で繰り返した。




「秋塚さん……。ありがとうございます。そっか、気にしすぎ……かな。そうですね。人には色んな過去聞かれたくない過去ありますよね」




少し温くなってしまった紅茶に手をつけてから、私はまた口を動かす。



「今度から、秋塚さんの言う通り無闇に聞くのはやめます。順序ですね、私だってあまり親しくない人にいきなり聞かれたら嫌ですし。自分がされて嫌なこと人にしないようにしないと……」




あまり親しくない、というのは友人に対して使う言葉では無いが思わず口からそう零れてしまった。



「またいつもみたいに声をかけてみます。私、自分がこんな相談されたら何て返していいかわからないです。なのに、秋塚さんはきちんと考えて答えてくれて……。すごいや秋塚さん。胸にぐっときました。秋塚さんに話してよかったなって思いました。本当にありがとうございます」







――これが正直な、私の気持ち。
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