蒼の歩み
その、今回相談を受けた友人とは。共通の友人がけっこういて。万が一本人の耳に入ってしまうかもと思うと、別の友人にこの悩み事を話す気にならなくて。それもあって



「……秋塚さんにお話しちゃいましたが、ホント話しを聞いてもらえたうえに丁寧に相談にのってくれたので心が晴れました。また何かあればお言葉に甘えちゃいたいと思っている図々しい私ですがよければこれからもよろしくして下さると嬉しいです!」



秋塚さんは、いえいえ、とクールに答えた。



「考え方、変わってると言われるんですか?でも私は『普通の考え』ではなく『秋塚さんの考え』が聞きたかったので充分でしたよ」




「そうかい?そりゃどーも」






――秋塚さん、本当にありがとう。



秋塚さんは自分の我をきちんと持ってて、頼れる存在だ。どこか包容力が滲み出てるし、そういえば初めて会った時も優しく声をかけてくれたし。……優しいのだろうな。




……勝手なイメージ押し付けるなと思われるかもなので、言葉には出さずに心の中に気持ちを留めて置いた。
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