蒼の歩み
「どこに寄ってたの?」



と私が問うと。蒼君にしては、珍しく罰が悪そうに。



「……パチ屋」



はい?



「どこに、寄ってたって?私と会う前に」



私と会う前に、を強調した。



「パチンコ屋」



……いや、略されたから聞き返したわけではない。




「へぇ……」



一般的には良いイメージがないであろうその場所は、当然私にとってもそうだった。




「いや、違う。遊んでたわけじゃなく、台の様子を見に行ってただけ」



何だかよく意味のわからない言い訳が始まった。蒼君もパチンコ、するんだ。別に私に、蒼君にパチンコを止めろと言う権限なんてあるわけはないが。……パチンコにハマってしまっている知人を知っているから、少しだけ不安になった。



1日で数万使っただの、勝ったとしても、そのお金をまた次の日にパチンコに費やしたり等と。知人のそう言う話を聞いて、私は正直呆れた事がある。
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