蒼の歩み
私は素直に、うん、と答える。




「……私はそんなに子どもっぽいのかな。見た目も、精神年齢も」




せめて精神年齢だけでもあげたいなー、と苦笑気味に呟いた。すると



「精神年齢なんざこれから社会に揉まれりゃ嫌でも上がっていくもんだぜ」



「そういうものかな。……蒼君は、年齢確認されたことある?」



「…………ある」



あ、あるのね。



「高校生だと間違われんのもショックだが、社会人でそれなりの立場なのに大学生にバイト呼ばわりされた日にゃ泣きたくなったなー」




やはり、若く見られるんだ。蒼君は一体いくつだというのも気になったけれど、それよりも。社会人で『それなりの立場』。けっこう、良い仕事をしているのかな。少なくとも私よりはそうであろう。



蒼君って、不思議だよなー、と奢ってもらったカルピスを飲みながら私は思うのであった。さっき喫茶店でコーヒー飲んだのに、今もまた缶コーヒーを飲む彼。



彼の。



好きな食べものや飲み物って、なんだろう。


こうして会う度に彼に惹かれていき、蒼君の色々なことを知りたくなる。……どうしてだろう。不思議なのは、蒼君ではなく私のこの気持ちなのかな。
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