蒼の歩み
「話していて楽しいのはおめーだけじゃねえ、俺もだ。俺と出逢ってくれて、相手してくれて、ありがとう。いつも感謝してるぜ。此方こそ、これからも宜しくな」
言い終えると蒼君は、私の頭をぽんぽんと撫でた。……なんだろう、この。胸がぽっと暖かくなる気持ちは。こんな風に、誰かから素直にお礼や感謝の言葉を述べられたのは、何年ぶりだろうか。
「……」
「真歩……?」
すっかり黙りこくってしまった私に対し、蒼君が撫でる手を止め私の顔を覗き込んできたが、それでも私は口を動かすことをしなかった。……いや、言葉を発さないのではなく、出せなかった。
それは、あまりにも。蒼君のお礼の言葉が、すぅっと胸に入ってきて。相手の感謝の言葉が、こんなにも嬉しくて。それよりなにより、楽しいのは私だけではなく、蒼君もそう思っていてくれていただなんて……。
言い終えると蒼君は、私の頭をぽんぽんと撫でた。……なんだろう、この。胸がぽっと暖かくなる気持ちは。こんな風に、誰かから素直にお礼や感謝の言葉を述べられたのは、何年ぶりだろうか。
「……」
「真歩……?」
すっかり黙りこくってしまった私に対し、蒼君が撫でる手を止め私の顔を覗き込んできたが、それでも私は口を動かすことをしなかった。……いや、言葉を発さないのではなく、出せなかった。
それは、あまりにも。蒼君のお礼の言葉が、すぅっと胸に入ってきて。相手の感謝の言葉が、こんなにも嬉しくて。それよりなにより、楽しいのは私だけではなく、蒼君もそう思っていてくれていただなんて……。