蒼の歩み
「…………こちらこそ、あの。……いつもありがと」
私も思ってるよ、だとか。私の方が感謝してるんだよ、だとか。そういう事を相手の目を見てきちんと言おうと思ったけれど、蒼君の直球な言葉はいつも恥ずかしくて。視線を下に下げながら、一言呟くことしか私は出来なかった。……ダメだな、これじゃあ態度が悪いよね。
すると、彼は。何を思ったのか、メモ帳を取り出して紙を1枚千切り、そこに何かを記入していた。
『どういたしまして』
……何故紙に書いたのかはすぐに理解出来ずにいたが、ソレを受け取り私も下にメッセージを書いた。
彼と直接言葉を交わすのはもちろん楽しいが、こうやって、謎の筆談をするのも不思議なモノで、何だか心が浮き浮きとした。
話している内容は対したことではないけれど。2人だけの、秘密の会話みたいで。途中で
『蒼君、大好き』
と、書いてみたら。
『え、何だって?聞こえねー』
と書かれて、紙を返された。……文字何だから、聞こえないも何もないだろうと思いながら彼の方を見遣ると、丁度視線が合った。
そして私達は。どちらからともなく笑いあった。
私も思ってるよ、だとか。私の方が感謝してるんだよ、だとか。そういう事を相手の目を見てきちんと言おうと思ったけれど、蒼君の直球な言葉はいつも恥ずかしくて。視線を下に下げながら、一言呟くことしか私は出来なかった。……ダメだな、これじゃあ態度が悪いよね。
すると、彼は。何を思ったのか、メモ帳を取り出して紙を1枚千切り、そこに何かを記入していた。
『どういたしまして』
……何故紙に書いたのかはすぐに理解出来ずにいたが、ソレを受け取り私も下にメッセージを書いた。
彼と直接言葉を交わすのはもちろん楽しいが、こうやって、謎の筆談をするのも不思議なモノで、何だか心が浮き浮きとした。
話している内容は対したことではないけれど。2人だけの、秘密の会話みたいで。途中で
『蒼君、大好き』
と、書いてみたら。
『え、何だって?聞こえねー』
と書かれて、紙を返された。……文字何だから、聞こえないも何もないだろうと思いながら彼の方を見遣ると、丁度視線が合った。
そして私達は。どちらからともなく笑いあった。