蒼の歩み
そんな話も交えながら、お互いの仕事の話や身内話をしていると、目的地にあっという間に到着した。



――今日は彼女と、たくさん話もしたし、いっぱい遊んだ。やっぱり彼女と居ると楽しいな。



ただ、1つだけ。



彼女にとっては、些細な世間話のつもりだったのだろうが。



「真歩は、やりたいこととかないの?」



と、聞かれたときは。こう、胸にくるものがあった。本職に就いている彼女の言葉は、フリーターの私には突き刺さるものがあった。その質問に対し、ぼやーっとした中身の無い返事しか、返せなかった。



でも……、その後すぐに恋愛話に発展し。



いつか、彼女に。私にとっての良い報告を、聞かせたい。仕事のことも、恋愛のことも……。そう思った。



私が彼女の彼氏の話で喜んだり嬉しくなったりするように、私も彼女にそういう思いをさせたい。……というのは、少し自惚れも混じっているかもしれないが。



私は蒼君のことをどう思っているのか、蒼君は私のことをどう思っているのか。その答えが見つかるまでには、まだまだ時間がかかりそうだけれど。



いつか答えに、辿り着けたらな。
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