ハートロッカー
安部さんはフッと笑うと、
「俺が通っていた高校は、校舎の窓ガラスが全部割れている荒れた学校だったんだ。

同級生は悪いヤツばっかしかいなかったし、若気の至りってヤツで俺も髪を金髪にしていた時期があった。

いわゆる、“ヤンキー”ってヤツ。

他校のヤツからは勝手に“鬼”なんてあだ名をつけられて、勝手に恐れられてた。

まあ、190近くも背があるうえに金髪だったら、恐れられても仕方がないだろうな」

昔話を語り始めた。

「ギリギリで高校を卒業して専門学校に進学したんだけど、そこでも恐れられてたんだよね。

同級生なのに敬語使われたりしてさ。

そこで出会ったのが上野だったんだ。

あいつは俺の1個上なんだけど、1浪で入学したから俺と同級生なんだ。

何かシンパシーでも感じたんだろうな。

上野の方から俺に話しかけてくれたんだ」
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