ハートロッカー
安部さんはハハッと笑うと、
「そこから俺と上野の関係が始まったって言う訳よ。

専門学校を卒業して、今は2人で雑貨屋を経営してる。

あの時は思わなかったな、あいつと生涯のつきあいになるなんて」

ブラックコーヒーを口にした。

「だから思うんだよ。

三春にも早く、家族以外で自分のことを理解してくれる人を見つけて欲しいって」

そう言った安部さんの言葉を飲み込むように、俺はミルクティーを口にした。

温かかったはずのミルクティーは冷めていた。

俺はそれを一気に飲み干すと、
「三春さん、店にいますかね?」

安部さんに聞いた。
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