ハートロッカー
「だけど…俺はそんな三春さんの理解者になりたいって思ってます」

「軽々しく、“理解者になりたい”だなんて言わないで欲しいわ!」

三春さんは拒絶するように首を横に振った。

「あなたが欲しいのは、表のあたしだけ。

表のあたしさえ手に入れば、後はどうでもいいんでしょ!?」

感情に任せて怒鳴る三春さんに、
「三春さん!」

俺は三春さんの両肩を押さえた。

「俺は、表の三春さんはいらないって思ってます!

俺が欲しいのは三春さん、あなたそのものなんです!」

三春さんは落ち着いた。
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