ハートロッカー
膝のうえに忘れていたように置いてあったマンガに三春さんは手を伸ばすと、それを開いた。

「高校生のくせに、えらそうなことを言わないでよ…」

「俺じゃダメなんですか?」

「重い」

即答か。

「考えるって言うのはなかったんですか?

「今さら何を考えろって言うのよ」

これも即答で返された。

「って言うか、もう話が終わったんだったら帰ったら?

もう閉店時間を過ぎたわよ、高校生」

三春さんに言われて、スマートフォンで時間の確認をした。

とっくに7時を過ぎていた。

もちろん、朝の方ではなく夜だ。
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