ハートロッカー
「あきらめないですよ」

俺はスマートフォンをポケットに入れた。

三春さんの目がマンガから俺に向けられる。

「俺は三春さんが好きだから、三春さんの理解者になりたいって思っているんです。

だから、あきらめません」

宣言するように言った俺に、
「そう」

三春さんは一言返事しただけだった。

「1週間だけ、三春さんに考える時間をあげます」

俺がそう言ったとたん、三春さんの目が大きく見開いた。

「あなた、何言ってるの?」

三春さんは訳がわからないと言うように首を傾げる。
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